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伊東 正次氏
作品を鑑賞する生徒

「日本画って何?」改めて考えてみよう!
日本画家 伊東 正次 氏

【講義内容】
「日本画」という言葉は、明治時代にフェノロサ(哲学など東京大学で教鞭をとるかたわら、日本美術を研究。岡倉天心とともに新日本画の創造運動を展開し、東京美術学校の設立に参画した。)によって西洋絵画に対して作られた。今日において「日本画」は、特定の絵画様式を指すものではなく、主に板、麻、絹、紙などの基底材に筆を利用し、墨を用い、顔料を膠で定着させて描く絵と、幅広く解釈される場合が多い。素材や伝統的な絵画技法の特徴を踏まえ、改めて現代の「日本画とは何か」を生徒一人一人に問う。さらに、現代を生きる私たちが新しい絵画表現を模索するためには、「感じる心・観察すること」を大切にしながら、セオリーにとらわれない自分なりの方法に挑戦することが重要なのである。

[1] 作品鑑賞

①伊東氏による日本画作品150号(181.8㎝×227.3㎝)3点、50号(91.0㎝×116.7㎝)2点を鑑賞。絵肌を間近に観察しながら、表現主題、描画素材や表現技法について質疑応答。
②「散華図(受難)」…2011年の東日本大震災直前2月に第一作目として制作した作品。搬入したのが2月末で展覧会が4月。東京は停電が続いてデパートも自粛ムード一色であった。ただ、画面が暗すぎて、震災後に観るには苦しかった。なぜ、その時に描こうと思ったのか今でも不思議であるが、震災後に描いた「散華図(再生)」では、どうしても空の青さが欲しいと思い、色合いなどを変えて描いた。枯れた百合の花が地面に散る様を描くことで私なりの散華を捧げた。もっと美しく清らかな様を表現したいと思い、あれから7年、現在も描き続けている。復興はまだまだ進んでいない。

 


「散華図(受難)」
2011年2月
「散華図(再生)」
2011年2月

 [2] 「椿」制作実演…セオリー通りでは無い表現方法を実演。絵の具の滲みや色の重なりによって発色が変化する様を見せることで、表現の自由さや可能性を示す。

①パネルに水張りをしていない生(なま)(漉いたままでにじみ止めの加工をしていない。)の紙に図案を描く。
②骨(こつ)描(が)き(絵画制作の初めの段階で、画面構成を定め、描く対象の輪郭線を墨などで引くこと。骨は輪郭線の意。)の線からはみ出すように水干絵の具で大胆に着色し、色を滲ませる。
③絵の具を滲ませたくない部分に、礬(どう)水(さ)液(えき)(膠(にかわ)に明礬(みょうばん)を加えたもの。和紙の滲みを止める効果がある。)を引く。絵の具を滲ませるか、滲ませないかをコントロールすることで、自分の意図する表現ができる。
④岩絵の具で着色する。下塗りの色の影響を受けて、深みのある発色が生まれる。
⑤裏彩色する。(絵絹の裏側から彩色を施す技法。絹枠に絵絹を張り込み骨描きすると、絵絹の透ける性質から裏側からも図像が見え、必要な個所に裏彩色を施すことができる。表面からは和らいだ色の効果が得られる。)パネル張りをしていないから可能となる。

岩絵の具での着色の見学

⑥胡粉(ごふん)で椿の花の白い模様を描く。  
⑦箔を押す。

 

 

 

 

【生徒の感想】

○ 東日本大震災の前に描かれた絵は地震を予言しているかのようで、とても驚いた。先生の中で何か暗いものが感じられて、それが絵の中に表れたのだと思った。私にはあの悲しい絵がなぜかとても美しく感じられた。

○ 日本画を定義付けることは困難で、答えがないからこそ新しい表現を模索することができる分野だと感じた。

○ 「対象から何かを掴み取らないと、ただの技法で終わってしまう。絵には思っていることが全て現れる。」という言葉が心に響いた。感じる心をこれからも大切にしていく必要があると実感した。  

 

2018年11月16日
 

 

 
 
 
 
 
 
 

 

 

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