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30年後の世界をつくる人へ ~美術とは何か、表現することの意味とは~
秋田公立美術大学 副学長   藤 浩志 氏

藤 浩志氏
過去を見ながら後ろ向きに歩く藤氏
「トイザウルス」
かえっこで集まった大量のぬいぐるみ
2025蛙の池シンポジウム

【講義内容】
藤氏は、青年海外協力隊(パプアニューギニア)の活動で、普段何の役にも立っていない痩せた野良犬が、野豚狩りの祭りでは打って変わって全力で駆け回る姿に変貌する光景に衝撃を受けた。この痩せた犬の瞬間の変化にエネルギーと美しさを見出し、社会的に認められていない価値観を、何らかの形で表現することで強度を与え、意識として立ち上げることを表現活動の基本に据えている。今回は、現在の地域社会に対して、多角的な角度から新しいあり方を模索するプロジェクトを紹
介する。

[1] 未来は作れない 過去しかつくれない
これまで何をやってきたか、という自分の過去を見ながら未来を予測し、後ろ向きに歩くことができる。見えない未来に向かって踏み出す一歩の重なりが、表現することであり未来に繋がる。

[2] かえっこシステム(1999年発案以来、国内外1000ヶ所・5000回以上にわたって開催。)
「かえる(変える/還る/換える/買える)」をキーワードに、大量生産・大量消費され、やがて廃棄処分される運命にあるおもちゃを用い、地域に様々な活動を作り出すシステム。

(1)「トイザウルス」…13年間で集められた5万点以上の中から、かえっこシステムで子どもたちに選ばれなかったおもちゃをパーツにして作り上げられた恐竜などの大型立体作品を展示。 

(2)ぬいぐるみ断熱の家…2012年に引き渡された海の家(藤スタジオ)は倉庫建築で、天井も床もなく、壁も外壁しかない。そこに杉板を内側から張り、かえっこで大量に集まったぬいぐるみのうち、汚れたり人気の無いものを外壁の内側に断熱材として詰め込み、徹底的に利用して住空間をつくり出した。

[3] 給料1ヶ月分のお米
アフリカなど発展途上国での飢餓問題は、募金と署名活動だけでは無くならないという確信を持っている。「2025蛙の池シンポジウム」では、自分の子どもが33年後の2025年にどのような社会で生活していくのかを予測するためのリサーチを行うプランを企画。展示会場である青山スパイラルガーデンの直径15メートルの円形空間を閉じた池にたとえ、そこに給料1ヶ月分を投じて購入した米で作った蛙型の腐りかけたおにぎりを2048匹作り、蓮の葉に鎮座させた。天井からは戦闘機と十字架を掛け合わせた3.5メートルのオブジェが20機ほど、今にも落ちそうな危機迫る状況で展示されている。さらに、その空間を取り囲むスロープに置かれた液晶モニターからは、33年後の地球環境について宇宙物理学者、森林問題NGO代表、エネルギー文化研究所所長、建築家、ソーラー発電開発者、国際協力総合研究所専門員などが語り、食料問題の本質を探る過程で直面する「輸送と保存が困難」という問題を身をもって体感することができる。現在世界人口は74億人まで増加し、気象変動、ごみ環境問題、温暖化、地震などの災害について問題提起している。

[4] がまくんとかえるくん
『ふたりはともだち』(アメリカの絵本作家アーノルド・ローベル作)の中の「おてがみ」は、がまくんとかえるくんの心温まる友情を描いた作品である。作るべきはものではなく、人と人との関係であり、また時間の質である。そのことは、社会の中の美術とも共通しており、物事の価値は絶対的ではなく、誰かとの関係において「価値」が生まれる。

 

【生徒の感想】

○ 「お年寄りと対話をしながら、スケッチブックに手や顔を描くことで、お年寄りがこれまで何を見てどこを歩いてきたのか、何を築いてきたのかといった人生そのものを知ることができる」という言葉に興味を持ち、実践してみようと思った。

○ 日常の何気ない何かに目を向け、なぜこうなっているのだろうと違和感を言葉にする。そして、そこから興味を持ったことを常識にとらわれず挑戦することで新しい発見に繋がる、ということを意識して制作に励みたい。

 

2018年11月16日
 

 

 
 
 
 
 
 
 

 

 

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