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『Print=Expression ♯Lithograph』
武蔵野美術大学 教授 遠藤 竜太 氏

遠藤 竜太氏

【講義内容】
版画は、浮世絵や数々の歴史的出版物に代表されるように、美術作品の領域を超え、「社会と繋がるメディア」として人々の生活に関わってきた。イラストレーション、絵本、写真など、あらゆる複製メディア表現にその範疇を広げる中、版画の技法習得はもちろん、「何をどう描くのか」「なぜ描くのか」といった絵画表現の本質を見極めながら、作品によって社会へ広く発信していくことが重要である。リトグラフ(石版画)は、水と油の反発作用を利用して印刷する。描いた図柄の線や筆跡の複雑なタッチを、そのまま刷り取ることのできる独特の技法は、銅版画、木版画とも異なる魅力的な作品を生み出す。各々が自由にテーマを設定し、A4サイズのリトグラフ制作に挑戦する。

[1]版の原理…水と油が反発しあう性質を利用。
アルミ板の表面を脂肪性画材(ダーマトグラフ)とアラビアゴム水溶液・リン酸(SK液)で化学反応させて、親油性部分と親水性部分に分離し、水で版面を湿しながら油性インクを盛って印刷をする。

[2]版への描画
 ダーマトグラフとタフウォッシュ(油性マーカー)を用いて、アルミ板に描画する。
版は脂肪分に反応するため、描画中は画面に皮脂などが付着しないように注意する。

アルミ版に描画する生徒

[3]製版と刷り
(1)描画終了後、SK液を薄く塗る。SK液が乾く前にウエスで乾拭きし、乾かす。

(2)プリントクリーナーをウエスにつけながら画線部の画材を消し取る。この工程中、水分はSK液を溶かすので厳禁。必ず乾いたウエスを使う。

(3)チンクター(アスファルトの粉末や油脂、蜜蝋をテレピンなどの溶剤で溶かした液体。)をウエスで均一に薄く塗布する。描画部分の油脂性を補強し、印刷の際にインクをのりやすくする働きがある。

(4)スポンジを使って水でSK液を洗い取る。画線部のみが残る。

製版工程の実演

(5)版面にスポンジで水を与えながら湿った状態を維持しつつ、ローラーでインクを盛る。

ローラーでインクを盛っている様子

(6)紙を乗せて印刷をする。(バレン・スプーンなどで圧を加えて刷る。)

製版工程の実演

(7)一枚刷るごとに(5)(6)を繰り返す。

 

完成した生徒作品

 

【生徒の感想】

○ 版画は彫刻刀で彫るものという先入観があった。リトグラフのリトがギリシア語で石を表す言葉で、石灰石を版にして版画ができることに驚いた。

○ プレス機を使わずスプーンで刷ることで微妙なかすれが表現でき、味わい深い作品になった。

○ 複数の薬品を使って、版を盛り上げ、水の上からインクを盛って刷るのは初めての経験であった。版の表面を見ると、凹凸が無いように見えるが、インクを盛り刷ってみると、描いた通りの絵柄が現れてくるのが不思議でたまらなかった。

○ 下描きをせず直接アルミ版に描く際、失敗はできないという不安で緊張したが、その緊張した線が強弱のある面白い線になり、フリーハンドで描く面白さに気付くことができた。

 

2018年11月19日
 

 

 
 
 
 
 
 
 

 

 

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